10年前の2巻乙作品『ハームフル・ビューティフル』を考察しよう

この記事は「まんがタイムきらら Advent Calendar 2022」の4日目の記事になります。

まんがタイムきらら Advent Calendar 2022 - Adventar
まんがタイムきららのドキドキ☆ビジュアル☆コミックス! 今年もまんがタイムきららに関連した作品やアニメ、雑誌自体などあなたの思い入れをぜひ語り尽くしてください。 きららファンタジアに関する話題もOKです(`・ω・´)

去年は『星屑テレパス』の題材で書きました。アニメ化決定ありがとう…。

まんがタイムきらら愛好家の皆さん、『ハームフル・ビューティフル』という作品をご存じでしょうか。え、ご存じない?

まんがタイムきららフォワードで2011-2012年に連載されたけど残念ながら2巻乙で打ち切られてしまった、あの『ハームフル・ビューティフル』ですよ?

なお、作者の高崎ゆうき氏は2018年以降ツイッターがストップ。HPもドメイン切れ?で消滅。
完結が見られそうにないこの作品を、打ち切りから10年経った今いろいろと考察してみたいと思います。電子書籍化もされていないので、気になった方は古本で買ってください…。

以下、当然ながら『ハームフル・ビューティフル』のネタバレを含みます。

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ストーリー

エロを売りにした漫画家が次々殺されている。ネットでそんな事件が騒がれていることに、高校生ながら身分を隠してエロ漫画を描いている京太郎も無関心ではいられなかった。そしてある日下駄箱に入っていた紙には、「貴方の秘密知ってます」の一文が。差出人はクラスの美少女のうちの一人なのか。疑心暗鬼を生じつつも彼女たちを題材にエロ漫画を描くことはやめられない京太郎。そこには彼の悲壮な決意があって―!?

芳文社単行本紹介ページより

ここには書かれていないが、いわゆる「死に戻り」ものです。記憶継承がないのでかなりのハードモード。2巻で4回死にます。

登場人物

・高屋 京太郎
主人公。高校生兼エロ漫画家だが、エロ漫画家であることは隠している。

・沙耶乃
委員長。エロに関してかなり厳しい。1~2巻は「沙耶乃ルート」となっており、シロ確定。

・氷小野(こおりこの) 理子
押しに弱いメガネっ娘。時折豹変する。

・ナナミ
自称守護天使のおばかストーカー。エピローグより本物の守護天使らしく、シロ濃厚。

・部長
京太郎が所属している漫画研究部の部長。2巻ラストで京太郎を殺害。

・タカシ
京太郎の親友ポジション。

・高屋 雛雪
京太郎の妹。兄からはヒナと呼ばれている。

・のの子
京太郎グループの一員。風邪で学校を休んでいる。

3通目の脅迫状の送り主は2通目とは別人

1巻P32
2巻P34
2巻P111

この記事はこれが書きたくて作ったようなもの。
2通目と3通目の「今」の漢字を比較すると、明らかにフォントが別
直接的な描写はないが京太郎が脅迫状について相談するのは部長だけ。2巻ラストを考えても3通目は部長が送ったと見るのが自然。
1通目と2通目は同じ文字が「の」しかないが同一フォントっぽいので同一人物かな?

理子について

理子は掘り下げがほとんどないので考察が非常に難しい。

隠し事をすると豹変する

・脅迫状を隠したことについて(1巻P44~48)
・沙耶乃の行方について(2巻P106)
・沙耶乃の行方について(2巻P127-128)

1巻P46
2巻P108
2巻P128

京太郎が休日出かけていたのを知ったのは偶然?(1巻P99~)

休日に京太郎が電車で出かけていたのを理子が知っていて怪しむ場面。
ただ、最初から最後まで京太郎をストーカーしていれば撮影を見学していないこともわかるはず。
京太郎の姿をたまたま見かけただけのミスリードか…?

のの子のメール「やばいです 理子さんって人を殺したことあります!!」(1巻P99~)

ここは最終的に比喩表現ということで納得する(2巻P26~)のだが【のの子から理子に電話している】のはやや違和感がある。
真面目な理子に対して「風邪で休んでる間集中してゲームできたから実績100%達成した」と電話するだろうか。京太郎やタカシであればわかるのだが…。

京太郎「人を殺すってどんな気持ちなんだろうな」 理子「私は涙も出なかったよ」(1巻P171~172)

ここの描写は「死に戻り」によってなかったことになっているので完全に未解決。上記のように比喩表現やゲームで人を殺した等の可能性もあるが、実際に殺している可能性もある。

ここはハイライトが消えていない。ごまかさずに聞いたから?

個人的見解

理子は友人に隠し事をされたせいで死なせてしまった過去がある(例えば食物アレルギーなど)。そのため隠し事にかなり敏感になっている。
京太郎が漫画(えっちな漫画)を描いていることを偶然知り、京太郎が被害者にならないよう漫画を描くのをやめさせようとする。
脅迫状(1、2通目)や鉢植え、ナイフは理子の仕業。
ちなみに京太郎は漫画研究部に在籍しているが、2巻P78~で沙耶乃は京太郎が漫画を描けることを知らなかった。エロに限らず「漫画を描ける」というだけでも秘密になり得る。

「のの子死亡説」「理子→沙耶乃ヤンデレ説」とかも考えたりしたけど、まとまらないのでボツ。

部長について

京太郎がエロ漫画家であることや脅迫状について知っている唯一の人物。

りんごの表現周り

2巻冒頭ナレーション。幸せになるのなんてとても簡単 きっと誰でも持ってるんだ だからもしもそれを自分が持ってなかったら ——それはとても悔しいことだと 思わない?
→京太郎と部長が逆向きで描かれている。この二人の幸せを掴むアプローチ方法が逆であることのあかし?

2巻P92~93
ナイフが無けりゃりんごが剥けない ナイフが無いなら丸かじりする羽目になる
→沙耶乃がりんごを剥いているシーンだが、部長がりんごを丸かじりしようとしている情景が浮かび上がる。部長は現実でもりんごを丸かじりしている(1巻P148~)。
ここの描写はよくわかりません…。

自分がエロ漫画のモデルにならないことに不満?

1巻P26やP152より。ただ冗談っぽいので伏線なのかどうかは不明。

京太郎が性的興奮を獲得するのを阻止したい?

部長も京太郎同様「何か(幸せ?)」が欠けている人間なので京太郎が普通になると置いてけぼりになりたくない
あるいは京太郎のことが好きで、他の女とくっつきそうなのを嫌がっている?

・エロ漫画を描くのをやめるよう勧める(1巻P85~)
→エロマンガキラーに狙われないように進言しているので普通ではあるが…。

・沙耶乃との疑似兄妹生活の話をした際、ハイライトが消える(2巻P90)

1巻P152。「手ごたえ0」に安心している?
2巻P90

京太郎を狙う

・バットで京太郎を殴ろうとするが、バッグで防がれる(2巻P113~)
→犯人と明言されてはいないが、前後の描写的に部長しかいないだろう。
<BAD END M-002>(2巻ラスト)
→こちらは顔が移っているので確定。

個人的見解

脅迫状(3通目)の送付者。エロマンガキラーの可能性も一番高いと思う(他にいないので)。
エロマンガキラーは1巻P21の時点で9件犯行をおこなっている。普通は捕まりそうなものだが、身体能力&頭脳が天才的な部長なら捕まらなくても不思議ではない。

ヒナについて

2巻あとがきより、【沙耶乃ルート】【理子ルート】【部長ルート】【ナナミルート】の4ルート予定だったようで、【ヒナ(妹)ルート】は存在しない。
ただ【沙耶乃ルート】では地味に重要なポジションを担っている。

ポッキーを買いにいってもらう(1巻P99~)

このお使いにより、京太郎と沙耶乃が日曜日にたまたま出会うことに。「普段あんまりお菓子とか食わない」(P102)らしいが…。

BAD ENDにつながる電話(1巻P158~)

ヒナからの電話によって沙耶乃の兄妹コンプが爆発し、結果的に<BAD END M-001>に。
死に戻り後はナナミが電話してヒナとの通話を回避し、BAD ENDを逃れた。

なお、電話の内容は以下の通り。
ヒナ「買い物カゴに商品を入れ続けたら一杯になりました。それでもまだ商品を入れ続けるには…どうすれば良いでしょうか?」
京太郎「答えは新しいカゴに入れる!」
→これはヒナの本棚にこっそり京太郎が本を入れていたことへの批判として電話は終わるのだが、何かの比喩にもなっている?

ブラコン?(2巻P4~)

ヒナが京太郎を起こすシーン。ヒナは少し汗ばんでおり、携帯電話が京太郎の布団の中から出てくる。
起こす前にこっそりと添い寝していた?

個人的見解

【沙耶乃ルート】は兄妹のお話なので、対比としてヒナの役割が多くなるのは理解できる。とはいえポッキーの下りなど「故意に京太郎と沙耶乃のイベントを起こそうとしている」ように思える。
ナナミのように京太郎を助けるお助けキャラなのではないだろうか(BAD ENDに導く悪魔という考え方もあるが、ブラコンっぽい描写より可能性は低そう)。

みんなの考察、待ってます!

2巻乙作品とはいえ考察が全然挙がってないので書いてみました。他の人の考察も見たいです。

おまけ

まんがタイムきらら2022年2月号ゲストの『甘く溶けたら完成です(春日沙生)』の考察もよろしければ…(これも他の人に考察してほしい)。

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