本塁前に置いた土田のバットは守備妨害に該当するか？

9月8日の中日-広島戦で中日のスクイズに対して広島・會澤の守備がコリジョン適用となった。コリジョンの判定自体は妥当との意見が多かったが(佐々岡監督は納得いってないようだが)、「コリジョンの前に土田のバットが守備妨害ではないか」との指摘も見受けられた。

「どこをどう見ているのか、ちょっと納得いかない」広島の佐々岡監督がコリジョン決勝点に疑問中日スポーツ

『公認野球規則5.09(a)アウト』にバットの妨害に関して記載されている。

（８）打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合。
(略)
【原注】バットの折れた部分がフェア地域に飛び、これに打球が当たったとき、またはバットの折れた部分が走者または野手に当たったときは、プレイはそのまま続けられ、妨害は宣告されない。打球がバットの折れた部分にファウル地域で当たったときは、ファウルボールである。
バット全体がフェア地域またはファウル地域に飛んで、プレイを企てている野手（打球を処理しようとしている野手だけでなく、送球を受けようとしている野手も含む）を妨害したときには、故意であったか否かの区別なく、妨害が宣告される。
公認野球規則

今回はバットが折れていないので原注の後段が適用される。妨害したと捉えられれば故意でなくとも守備妨害だ。

ただ、會澤はバットをスムーズに蹴り出したためバット自体は「送球を受けようとしている野手」への妨害にはなっていない。またバットを蹴り出した段階では両足とも本塁の前(コリジョン該当しない立ち位置)にに置かれており、「バットを蹴り出したせいでコリジョンになった」という考え方も難しい。