5月30日 阪神守備陣が魅せたレフト犠牲フライのトリックプレイ?

野球

【西武】7回猛反撃も山川穂高が痛恨の走塁ミス 「大いに反省しなきゃ」と辻発彦監督
https://hochi.news/articles/20210530-OHT1T51159.html

状況は一死満塁でレフトややセンター寄りへ高いフライ。レフト・サンズの肩や三塁走者・呉念庭の足を考えれば犠牲フライには十分な当たり。
守備側は1点諦め、7-5-4とボールをつないで飛び出していた二塁走者の山川を刺した。確かに山川の走塁ミスといえばミスなのだが、阪神側の守備がおそらく山川を狙うトリックプレイ気味の守備であったことも見逃せない。

まず、大前提から。レフトフライ(犠牲フライ)の場合、刺す可能性があればサードカット、なければショートカットのことが多い。基本的にレフトはワンバウンドでキャッチャーへ送球するので、刺せそうな距離のフライだとワンバウンドのポイントはサードの方が入りやすい。そのためショートが三塁カバーに回る。
一方、犠牲フライに十分の深さの場合、距離的に近いのはショートなのでショートがカットマンでサードが三塁ベースに付く形をとる。このことを頭に入れたうえで今回のプレイを見てもらいたい。

阪神はショート中野、サード大山ともにカットに入っている。サンズの送球が逸れた?のもあるが、中野は送球を取りに行かず三塁へ。カットした大山が二塁へ送球した。
ポイント中野が何度も後ろの大山を見ている点。大山とアイコンタクト、ないし送球を取るべきかスルーすべきか大山の位置を確認して判断しているものと思われる。
意図的かどうかわからないのはサンズの送球。画質的に断言できないが、ショートが取れないかつサードが2塁送球しやすいようなところに投げている。二塁走者の心理としては、サンズの送球が高い(カットマンが取れない)場合や大きく逸れた場合に3塁タッチアップを狙おうと考える。
今回はショートが取れない位置へ送球されたので、どうしても飛び出したくなってしまう。ショートがガッツリカットに入っているので、サードが第2カットマンになっているというのもなかなか予想しづらい(打球から目を切ってサードのポジショニングを確認するのは非常に勇気がいる)。

ここまで考えるとサンズの送球は意図的に逸らしたとも思えるのだが、外国人選手も交えてここまでのプレイを練習していたのだとしたら阪神は立派である。
最後に他のレフト犠牲フライの動画をいくつか挙げておく。

・ランナー2・3塁、レフト定位置付近のフライ
今回と一番近い当たり。ショートがカットに入り、サードはベース付近に付いている。

・満塁・深めのレフトフライ。
ショートカット、三塁はベースへ。

?満塁・定位置付近のレフトフライ
二人ともカット?
二塁走者がハーフウェイならタッチアップはないのでこれもあり。

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