タイブレーク(無死一・二塁)で山梨学院が仕掛けた内野5人シフトによるバントシフト。
見た目は派手だがやっていることはブルドッグシフトと変わらない。
今回の内野5人シフトのメリットデメリットについて、個人的な意見をまとめる。
ブルドッグシフト
ブルドッグシフトは上記のように、ピッチャーファーストサードがチャージする。ポイントはショートの動き。三塁ベースがガラ空きにならないようにしつつ、二塁走者の離塁を抑える必要もある。
内野5人シフト
※今回はヒッティングだったのでほぼチャージせず
内野5人シフトのメリット・デメリット
ショートが二塁走者を牽制し続けられる
内野5人シフトはサードが前に出ないためショートが3塁ベースを埋める必要がない。そのため二塁走者は大きく離塁出来ない。
三塁送球が(ブルドッグシフトに比べて)容易/三塁線に転がされるとバント成功?
ブルドッグシフトの場合、サードの三塁送球は難しい。ダッシュしてきて勢いがついている中で背中側に投げないtいけないためだ。。
この動きは走者一塁時のバントに対して投手が二塁送球のと同じだが、投手は投げてからチャージするのでさほど勢いがついていない(その分送球の距離は長いが)。また練習量も投手のバント処理に比べて少ないので、バントが三塁側に転がると結構ミスをしやすい。
一方で5人シフトは背中側に投げる動きが少ない。投手は半分背中側と言っても良いが、180度背中側でなければチャージの勢いで投げることができる。
ただ当然ピッチャーは投球を終えるまでチャージできないので、セオリー通りサード方向強めに転がされたら対処できないはず。実際バントされたわけではないので何か奥の手があるのかもしれないが…。
面白いと思った点、疑問点
セカンドではなくセンターがバント処理に参加した理由
今回のシフト、あえてセンターをセカンドの前に持ってきている。これはおそらく、センターにファースト経験があるため。
セカンドゲッツーを取れるのか?
打ってきた場合、おそらくピッチャー、センター、ファーストゴロは三塁送球。ショートゴロの定位置~三遊間寄りも三塁送球だろう。サードゴロは、三塁ベースを踏める位置なら踏みに行くはず。これらは一死一二塁となるので問題ない。
セカンドゴロは4-6-3のゲッツーを狙うだろう(ファーストが一塁ベースに戻る余裕はある)。
問題はショートゴロ(二遊間寄り)やサードゴロ(三遊間寄り)。これらは三塁送球(触球)が難しいのでセカンドゲッツーを狙いたいが、今回のシフトはセカンドの位置が一塁ベースに寄りすぎているように感じる。多分セカンドゲッツーは取れない。
一死二三塁(一三塁)の形を作られたくないということであれば、セカンドが一塁ベースに入ることよりセカンドゲッツーを意識するのもアリでは?
守備のタイムを取るべきではなかったか?/牽制球が余計ではなかったか?
毎日新聞の記事によると、監督は「相手の作戦をバントから強打に変えたかった」、捕手は「一塁から二塁の間の方向にバントさせようとした」と思惑がズレている。
延長戦は各イニング一回守備のタイムを取ることができる(高校野球特別規則)。後にできる形を考えると、守備のタイムを取るとしたら一死満塁くらいだろう(前進守備かセカンドゲッツーかの確認)。ただ、これは伝令を出さなくてもベンチからの指示で何とかなる。タイムを取るタイミングとしては無死一二塁の場面だと思うが…。
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