岡田功のプロ野球「意外なルール」100のここがおかしい!

公認野球規則 野球
公認野球規則

そこそこ面白い本だったけど、すぐにわかる致命的なミスが二つほどあったので紹介する。

スポンサーリンク
横長ディスプレイ広告

Q35.投球動作に入った瞬間、二塁手がレッツダンス!

Q.投手が投球しようとしたとき、二塁手がダンスを踊り出した。打者はサードゴロで一塁は完全にアウトのタイミング。タイミング的には完全にアウトだったが、このケース、審判の判定は?

A.セーフ
審判は二塁手の好意が打者に対して棄権につながる(もしくは打者を眩惑させる)恐れがあると判断し、攻撃側に有利な判定を下したのだ。なお、仮に投手の投げたボールがストライクゾーンを通過し、打者がバットを振らずに見送ったとしたら、ボールが宣告される。

ルールに詳しくない人でもさすがにおかしいだろうと思う判定。打撃妨害とか書かれてたら騙される人もいるだろうが…。
週ベのよくわかるルール教室に似たようなプレイの解説がある(このコラムなんでも載っててすごい)。

遊撃手が定位置で盛んに両腕を回したり飛び跳ねたりするので、これが視界に入る打者は気になってたまりません。球審にやめるように注意してもらいましたが、遊撃手は「準備運動さ」と取り合いません。

 許される行為ではありません。野球規則4.06※には競技中のプレーヤーの禁止事項が列記されていますが、(b)にこうあります。

「野手は、打者の目のつくところに位置して、スポーツ精神に反する意図で故意に打者を惑わしてはならない」。ペナルティとして、「審判員は反則者を試合から除き、競技場から退かせる。なお投手がボークをしても無効とする」とあります。

日本でも73年8月2日の太平洋-ロッテ戦でこの規則が採用されました。太平洋の攻撃で、二死後、レポーズに対するカウント1-1後の投球がストライクと宣告されたときです。レポーズはロッテの前田益穂遊撃手を指さして文句をつけました。投手の投球と同時に、前田が二塁ベースの後方で両手を差し上げたのが目に入り邪魔されたというのです。このときは審判団協議の結果、3球目の判定を取り消し、試合再開となりました。

※2015年の記事なので公認野球規則4.06となっているが、最新版(2021年)では公認野球規則6.04(c)に記載されている

内野手が定位置で両腕を回したり、飛び跳ねたりして打者を邪魔するような行為は許される?

ということで正解はノーカウントだろう。

ちなみにNPBで起きたプレイに関しては、2689web.com(日本プロ野球記録)のボックススコアを見る限り前田選手は最後まで出場しているので退場宣告はされなかった模様。
また、5ちゃんねるでは「前田選手が阿波踊りをした」と書かれているがソースはないので真偽不明。

Q61.グラブの土手からポロリ 故意落球か否か

Q.一死一塁でライナー性の当たりがセカンド正面に飛んだ。セカンドはグラブの土手に当てると、落としたボールを拾って4‐6‐3と転送され、ダブルプレイが成立したかに見えた。相手監督は故意落球ではないかと抗議したが、正しいジャッジは?

A.ダブルプレイ成立
故意落球かどうかは審判の判断による。判断の分かれ目は「グラブのどこにボールを当てたか」。土手に当てた場合は故意落球とはみなされない。故意落球と判断するのは、グラブの先に当てた場合。

公認野球規則5.09には「容易に捕球できるはずの飛球またはライナーを、内野手が地面に触れる前に片手または両手で現実にボールに触れて、故意に落とした場合に適用される」と書かれており、 グラブの土手・芯・先っぽ等の記載はない。
故意落球を適用するのが正解。
土手に当てれば故意落球にならないのであれば簡単に併殺が取れてしまう。内野手は皆土手に当てて落球する練習をするはずだ。

コメント