公認野球規則9.02(17)併殺打について

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9月9日の横浜-巨人戦で下記のような記録的に面白いプレイがあった。

攻撃でも巨人アンラッキー 満塁からライナー性の打球に走者走れず併殺 [2021年9月9日20時7分]
巨人がアンラッキーな“併殺打”で同点のチャンスを逃した。1点を追う6回1死満塁、代打大城が放ったライナー性の打球が一塁手ソトの正面へ。
走者は捕球すると思って帰塁体勢に入ったが、ソトはボールを捕球できず。拾い上げると、本塁へ送球して三塁走者を封殺。
捕手戸柱は三塁へ送球し、帰塁しようとしていた二塁走者もアウトにした(記録は一ゴロ)。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202109090000886.html

満塁の場面で一塁手のソトがライナーを落とした結果、3‐2‐5の珍しいダブルプレイとなったが、打者の大城には併殺打が付かないという記録に。
ちなみに日刊の記事、記録は一ゴロと書いているの(併殺打でないことは理解してる)に最初に“併殺打”と書いてるのはいかがなものかと。”併殺”にすればよかったのに…。

併殺打が付かない根拠は公認野球規則9.02(17)に記載されている。

公認野球規則9.02【注1】なお、打者の打った飛球、ライナーを野手が落として(故意落球ではなく)前記のような併殺を行なっても、併殺打とはみなさない。

2021年度版公認野球規則

このルールはよくよく考えれば当たり前で、守備側が捕球していれば(ライナーゲッツーでも)併殺打が記録されないのに、落としたばかりに併殺打が記録されてしまうと打者側にとって不利益だからである。

なお、ここでいう「落として」というのはグラブ等に当てて落としたプレイに限らず、ゲッツー狙いで グラブ等に当てずにわざとバウンドさせた場合にも適用される。有名どころでは、ビシエドが走らずにゲッツーとなった下記のプレイは併殺打となっていない。

この規則で間違えやすいのはピッチャーライナーだろうか。ピッチャーが弾いて他の野手が捌いてゲッツーになっても併殺打にならないというのは勘違いしがちである。実際にNPBでも後日記録訂正された例がある。

中日エルナンデスの記録訂正 遊ゴロ併殺打→遊ゴロ [2015年4月16日18時25分]
日本野球機構は16日、中日-阪神4回戦(14日)で中日のエルナンデスの4回無死一、三塁からの打席結果「遊ゴロ併殺打」を併殺打とせず、打点なしから「1」に訂正すると発表した。
 4回はエルナンデスが放ったライナーの打球を投手がグラブではじき、遊撃手がカバーして併殺となった。
公認野球規則では打者の打った飛球、ライナーを野手が(故意ではなく)落として併殺を行っても併殺打としないと規定されているため、打席結果が「遊ゴロ」に訂正された。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/1462412.html

細かいところまで網羅されている公認野球規則、一度は読んでみることをオススメするよ(ただ読みづらいけどね)。

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