2024競馬アドベントカレンダー21日の記事です。
総論
100点満点中85点くらい。
賞金関連では少頭数を減らそうという近年の傾向は堅持。一方で内国産馬奨励賞は減額させるなど、増額一辺倒ではなくなった。令和に入ってから売得金が前年比3~5%増で伸びていたが、昨年は同0.7%増と成長鈍化しており妥当な判断だと思う。
サプライズは障害騎手に対しての待遇改善。特に減量制度を変えてくるのは全くの予想外だった。
残念だったのは厩舎関連の手当(厩舎運営奨励金等)が現状維持だったこと。今年もストが実行され、物価高騰も考えると増額して欲しかった。
賞金関連
近年の傾向として動きが目立つが、今年も傾向は変わらず。ただ内国産馬奨励賞は減額したため財布の紐を緩め続けているわけではない。
特別出走手当の増額
・特別出走手当がの基本額が495000円→520000円に増額
・2歳馬競走の加算額が30000円→50000円に増額
・9着以下の特別出走手当半額交付要件がタイムオーバーと同じ着差に変更
新馬・未勝利はタイム差判定が緩くなった
・ヘヴィータンクルールの縮小
2歳/3歳の未勝利馬(未出走馬)が格上挑戦し、9着以下かつタイムオーバー相当の着差が付くと特別出走手当不交付→格上挑戦の内重賞に限られた(非重賞の場合全額未交付から半額交付に変更)
出走奨励金
・9着賞金が1着賞金の3%→4%に増額
1%なので地味に見えるが1着賞金1000万円のレースで10万円なので結構大きい。8頭立て以下だと枠連が販売されないので、JRAとしては極力9頭立て以上にしたい?
・ヘヴィータンクルールの縮小
2歳/3歳の未勝利馬(未出走馬)がオープン競走に格上挑戦し、9着以下かつタイムオーバー相当の着差が付くと出走奨励金不交付→重賞に限られた
・3歳未出走馬が3月までに未勝利戦に出走した際の出走奨励金加算額の減額
該当するケースが少ないので影響はほぼないけど、新馬戦の開催期間が縮小されたことに伴う救済だったはずなので縮小するのはどうなのか…?
内国産馬奨励賞の減額
1~8着の内国産馬に交付される奨励賞の減額。特にオープン以上の競走ではガッツリ減額された。
血の飽和等を考えると外国産馬がもう少し増えて良いし、他の増額分を考えると馬主の実入りは減らないはずなので良い試みだと思う。。
褒賞金制度の拡大
・春古馬三冠/秋古馬三冠制覇の褒賞金額が「2億円(外国産馬1億円)→3億円(外国産馬1.5億円)」に増額
・春古馬三冠および秋古馬三冠の6競走中3競走に優勝した場合、2億円(外国産馬1億円)の報奨金制度を新設(三冠ボーナスとは重複しない)
馬主賞品の増額
・一般競走優勝の記念メダルが90万円相当→100万円相当に増額
金の相場が上がってるからですかね?
生産者賞の増額
生産牧場賞と繁殖牝馬所有者賞が微妙に増額
騎乗手当の増額
騎乗手当(非重賞の障害競走)が86500円→92000円に増額
ヤングジョッキーズシリーズ上位者賞品の増額
1位30万円、2位20万円、3位10万円→1位60万円、2位40万円、3位30万円に増額
出走順関連
3歳馬春GⅠの出走順変更
以前から公表されていた通り、桜花賞・オークス・NHKマイルC・皐月賞・ダービーの出走順決定方法が変更。
今までは芝ダートの区別なく収得賞金順だったが、2025年からは芝コースで行われる1勝C以上の競走で獲得した収得賞金順になる。
2022年ダービーを例にすると、収得賞金2100万円(新馬ダート400万円+1勝Cダート500万円+若葉S芝1200万円)のデシエルトは新ルールだと1200万円で計算される。
なお、出走馬資格の文言は変わっていないので、未勝利馬(未出走馬)でなければ新ルール収得賞金0円の馬でも出走可能と思われる。
芝コース予定が悪天候によりダート変更した場合どう扱われるかは記載なし。
3勝Cの出走順変更
優先出走権が「前走4節以内3着→前走8節以内3着」に変更。オープン競走と同じ出走間隔まで優先権が使用できるルールとなった。
3勝Cは2勝C以下と比べ施行数が少ないため、中3週だと使いたい距離のレースがなく優先権使い切れないケースも散見された。基本的には良改正だが、【間隔を空けられる=外厩施設が使いやすい】と考えると大手馬主に有利な気も。
一部GⅠの地方馬出走制限
収得賞金1600万円以下のカク地馬は宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念に出走申込みできなくなった。
元々フェブラリーSおよびチャンピオンズCは収得賞金の要件があったが、芝GⅠにも拡大された。
2023年ジャパンCに収得賞金1390万円のクリノメガミエースが出走したことを受けてのルール制定なので、何人かはクリノメガミエースルールと呼称している。
なお、クリノメガミエースはジャパンC後に2着2回で収得賞金を加算しているため、2024年11月時点では収得賞金1600万円超である。
まあダートGⅠと芝GⅠで統一した方が自然ではあるけど、クリノメガミエース絡みの馬券が4400万円強売れたことを考えると出走制限設けなくていい気も…(フルゲートなら普通に弾かれるんだし)。
他
障害競走の減量ルール変更
従来は騎手免許取得から5年以内だったが、2025年からは障害初騎乗から5年に変更された。
平地で頭打ちになってから障害に騎乗する騎手も少なくないので良改正。
アラブ系種馬の出走可能レースが消滅
2024年までは「カク地のアラブ系馬」が出走できるオープン特別が少数存在したが、2025年には完全消滅した。
自分は中央でアラ系競走が施行されていた時代を知らないけど、それでもルールブックから消えるのは一抹の悲しさがある。
一部コースの出走可能頭数の増加
中山Cコースの芝2000mおよび芝2200mのフルゲートが17頭→18頭に増加
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