すっきりしない終わり方になった2022リチャードの走塁放棄を公認野球規則などからチェックする

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5.09(b) 走者アウト

(2) 一塁に触れてすでに走者となったプレーヤーが、ベースパスから離れ、次の塁に進もうとする意志を明らかに放棄した場合。
【原注】 一塁に触れてすでに走者となったプレーヤーが、もはやプレイは続けられていないと思い込んで、ベースパスを離れてダッグアウトか守備位置の方へ向かったとき、審判員がその行為を走塁する意思を放棄したとみなすことができると判断した場合、その走者はアウトを宣告される。この際、たとえアウトが宣告されても、他の走者に関しては、ボールインプレイの状態が続けられる。この規則は、次のプレイなどに適用される。

例──0アウトまたは1アウトで、同点の最終回、走者一塁のとき、打者が競技場の外へサヨナラ本塁打を打った。一塁走者は、二塁を過ぎてから、本塁打で自動的に勝利が決まったと思い込み、ダイヤモンドを横切って自分のベンチに向かった。この間、打者は、本塁に向かって進んでいたような場合、走者は、〝次塁に進もうとする意志を放棄した〟という理由で、アウトを宣告され、打者走者は各塁を踏んで行って本塁打を生かすことが許される。

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誰がキャッチ/ノーキャッチのジャッジをしたのか?

NPBの2軍の試合は3人制審判で行われる。今回は走者満塁だったわけだが、このケースは左中間とレフト線で打球をジャッジする審判が異なってくる。今回はボーダーなので微妙なところだが、三塁塁審ならリチャードの視界に入っている可能性が高いので球審だろうか。

「ノーキャッチ」のコールをしている?

@kenny_green氏の動画を見ると、27秒あたりに声援交じりで通った声が聞こえる。おそらく審判の声で自分には「ノーキャッチ」に聞こえる(クリアに聞こえてるわけではないので自信はないが…)。
リチャードは走塁中とはいえ、意識していればこの声は聞き取れたのではないか。

審判のアナウンスは正しかったのか

「リチャード選手が一塁に来ていませんでしたので走塁放棄」としているが、リチャードは一二塁間にいるため一塁には到達している(記録も単打)。
一塁に行く(戻る)義務は基本的にないためこの場内説明が正しかったのかどうかは疑問が残る。

早めにタイムを掛けてしまった審判、本当に走塁放棄なのか?

@kenny_green氏の動画を見ると37秒あたりで審判がタイムを掛けボールデッドになっている。この時点でリチャードはまだダッグアウトに戻ろうと大きくは動いていない。アウトだと思い込んでいるものの、ベースパスを離れたと言うにはやや厳しいように見える。
ただ、ベースパスをどれくらい離れたらアウトにすべきかは書かれていないのでそこは審判の裁量だが、3フィート離れたかというと…。

ボールデッド中のプレイでも走塁放棄を宣告できるのか?

仮にリチャードがボールインプレイ中はベースパスを離れず、ボールデッド中にベースパスを離れた(かつ、走塁する意思を放棄した)と仮定しよう。
この場合、ボールデッド中の行為について走塁放棄を宣告できるのかという話になってくる。

ボールデッド中にベースパスを離れてランナーコーチと話している走者をよく見かけますが、あれは常識的に考えて「走塁する意思を放棄した」とはみなさないと思うので今回のプレイの参考にはならないと考える。

ボールデッド中の走塁放棄に関しては公認野球規則5.09(b)の例はホームランによるものである。これを読む限りボールデッド中でも走塁放棄を取れそうだ。
ただ、2015年にプロ野球で起きたプレイだとボールデッドの状態になったため走塁妨害は適用しない、と審判が説明している。…どっちやねん。

ホームランはボールデッドではないという説もあるようですが、週ベのよくわかるルール教室でボールデッドと書かれているのでボールデッドとみなします。

5.06(b) 進塁
【原注1】 走者がアウトにされることなく1個またはそれ以上の塁が与えられたときでも、与えられた塁またはその塁に至るまでの途中の塁に触れる義務を負うものである。

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六回二死二塁、代打・大谷を敬遠。栗山監督が代走・岡を告げると、大谷は一塁へ走らずベンチへ。この行為に福良監督代行はアウトではないか、と審判に詰め寄った。
嶋田球審は試合後、「インプレー中なら走塁放棄となりアウトだが、投手交代によりボールデッドの状態になったのでアウトにはならない」と説明した。

オリ・福良監督代行、大谷走塁放棄に猛抗議! 2015/07/29 05:00

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